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2005年の秋、表参道の焼き鳥屋「鶏政」でデザイナーのTさんと飲んでいた。 「ことしも稲刈りは1,200kgの収穫。田んぼ仕事のあとはイタリア車で高速を飛ばして夜はモダン・ジャズ。田舎もわるくない」 「そういう生活、都会でも憧れる人はいそうだね。米づくりってことじゃなくて、近代的でしかも生産的という意味で」 「でも、シンプルモダン好きの人って、田んぼとか庭はななじまないでしょ」 「そう。だけど、庭のアイテムに良品がでてくると、見方も変わるんじゃないかな」 翌週、Tさんからデザインカンプが届いた。見て驚いた。飲み屋で語り合ったことがビジュアルになっている。庭の緑のなか人々の談笑する姿が目に浮かぶ。その中心にしつらえのよさそうなテーブルがあった。これがクッキンガーデンの原型となった。 |