コンクリートの格子テラスの外観は、シンプルといえば確かにそうですが、ちょっと面白みに欠けます。構成要素としては直線だけなので、これに点や斜線が入ると面白そうです。そこで、格子の発想が邦画にあったので、ついでに日本庭園や神社の写真などを見てみると、思った以上に細長い踏石と小石を敷き詰めたデザインが多いのに驚きました。
それと同時に、飛び石のなかにも、正方形のものを斜めに配置したものも多く見られます。「これって、そのまま使えるじゃない」というのが正直な印象でした。こうなると話しは簡単で、コンクリートとバラスの格子、正方形を単位とする飛び石、45度の配列、これを組み合わせて全体をレイアウトすれば、これもまた何とかなりそうです。だいたいいつも、「なんとかなる」のです(笑)。
近くのホームセンターで調べると、御影石が山積みになっています。基本寸法は30センチ角で、この二枚分にあたる30センチ60センチのものもあります。好都合なことに、格子の単位は幅10センチですから、30センチの御影石は整数倍です。
暗渠を覆う格子のテラスが全体の1/3、残りの半々がそれぞれデッキと植栽エリアです。このままではどうしても、格子テラスから直線的にデッキに向かう動線が強くなりそうでした。直線の格子に視覚が誘導されそうに思えたからです。そこで、格子の中央を斜め45度に飛び石で切り、その先がデッキ脇の地面につながるようにしました。
これで、リビングからデッキに出る室内からの動線と、テラスからデッキを通らずに物置に行ける庭中心の動線と、ふたつの小径ができたのではないかと思います。実際のところ、家庭菜園や草取りの作業をする場合、デッキを迂回できる動線があった方が好都合です。