さて、こうしてデッキの完成後ずっと座卓で過ごしてきたわけですが、今年(2008年)の春になって状況が一変しました。
4月の末に、試作品のクッキンガーデンのテーブルをデッキに持ち込みました。最初、少し違和感がありました。視線が高くなんだか照れくさい感じ。座卓になじんだ反動ですね。しかし、夕方になってテーブルにビールを置いた頃には、もうすっかり違和感は消えていました(笑)。
4月末といえばゴールデンウイークの直前、一年間でもっとも外気が心地いい時期です。蚊に煩わされることもありません。そんなベストシー ズンに手塩にかけたガーデンテーブルを置いたことは幸運でした。最初にいちばんいい時を体験したのですから。
数日が経過し連休に入ったとき、はっきりと「生活が変わった!」と思いました。気がつくと、毎朝起きるとすぐに、豆乳の入ったグラスと新聞を手にデッキに出ています。あたらしい動線の誕生です。これは座卓のときにはなかったことです。なぜなら、座卓はパーティーの時に納戸から運び出すものだったからです。つまり、日常的にデッキにないわけですから、ここに動線が作れるわけがありません。
実は、クッキンガーデンの開発当初、収納式を考えました。しかし、機構が複雑になりシンプルなデザインが難しくなる上に、コストもかさみます。できることなら収納式と思いながらも、現実的な理由で諦めたようなところがあったのが実状です。
しかし、実際にクッキンガーデンを置いてみてわかったのは、「できれば収納式にしたい」ではなく、「できれば収納しない方がいい」だったのです。これは本当に意外な発見でした。